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究極の選択『127時間』のモデル、実際の映像は家族にはつらい

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『127時間』のモデルとなったアーロン・ラルストン
『127時間』のモデルとなったアーロン・ラルストン

 映画『127時間』で、岩に腕を挟まれ究極の選択を実行した結果、奇跡の生還を遂げた実在の人物アーロン・ラルストンが、自身が撮影した実際の映像や映画について語った。

映画『127時間』写真ギャラリー

 登山家のアーロン・ラルストン(ジェームズ・フランコ)はユタ州のブルー・ジョン・キャニオンでハイキングしていたさいに、岩に腕を挟まれて身動きが取れなくなる。窮地に陥った彼が生死を懸けた究極の選択を強いられることになる衝撃的な作品。この映画でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたジェームズ・フランコの熱演にも注目だ。

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 アーロンがこの事故にあったさい、死ぬかもしれないと思って撮影した実際の映像があるそうだが、ドキュメンタリーの映像として世間に公開しようと考えたことはあるのか。「興味を持ってくれるのは嬉しいし、人が気になるのこともわかるけれど、これは家族や友人のために僕が残したものなんだ。あのビデオを、僕の友達や両親のみんなで観たときは、ものすごく感情的になってしまい、何度も画面を停止して、ほとんどのティッシュボックスを使い切ってしまったほど泣きながら観たんだよ……。特に母親にとっては相当な衝撃だったと思うんだ……」と言い、さらに「ただ、このときはすでに事件が起きてから4か月経っていて、僕が家でリハビリをしていたときでもあったけど、僕が撮った映像には、人間らしい姿が映った最初の映像から、1時間後の映像には6日経って40キロほどにやせてしまった僕の姿が映っていたんだ! それは、まるで幽霊のような存在として映し出されていた……。そんな僕を、母親が観ることは非常につらいことだと思ったから、そのときにこの映像を公開しないことを決めたんだよ」と明かした。

 アーロンはこの事故がメディアに取り上げられたことで、どのような対処をすることになったのだろう。「事故から生還したときは、これからキャンプファイアーをするさいには、強烈な話が語れるぐらいにしか思っていなかったんだ! だから、まさか自分の知り合い以外の人たちがこれほど興味を持ってくるとは全く思わなかったんだよ!」と予想外の人々の反応に驚いたようだ。そして事故の後、病院のベッドで寝ていたときに、彼はゆっくりと今後どうするかを考えたそうだ。「その中で僕が最も熟考したのが、自分の価値についてだった。そして、最終的には(生きていることへの)恩恵を人に伝えたいという結論に達したんだ。それからはまず本を執筆して、公共の場でスピーチをして、そのスピーチを観ていたダニー監督が、映画という媒体で人々に僕の話を伝えてくれることになったんだよ」と語る彼の選択は、多くの人に希望を与えたに違いない。

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 自分の経験したことをハリウッド映画として鑑賞してみて「映画全体がすごく緊張感があるんだ。映画内では、僕の個性とユーモア、さらに自信過剰で、ある意味傲慢な部分、自分の周りの自然をよく分析しているところなど、バランスの取れた映画に仕上がっていると思う。もっとも、ジェームズのほうが僕よりもずっとチャーミングだけれどね(笑)。ただ、僕は人々がこの映画を観て、映画内でジェームズが最後に立ち去る瞬間に“ありがとう”と言ったように、(人生に対して)感謝の気持ちを持ってほしいと思っているんだ」と彼だからこそ言える重みのある言葉を語った。

 映画はダニー・ボイル監督の特徴ある演出と、脚本家のサイモン・ボーフォイの構成が、岩場に挟まった一か所に居る設定を感じさせない映画に仕上がっている。奇跡的な生還を遂げた男の生命力は、一見の価値のあるものであろう。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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