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巨匠マイク・リー監督の新作『家族の庭』主演のジム・ブロードベントとルース・シーンが明かす驚異の5か月のリハーサルとは?

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ジム・ブロードベント(左)とルース・シーン(右)
ジム・ブロードベント(左)とルース・シーン(右)

 映画『秘密と嘘』や『ヴェラ・ドレイク』などでおなじみのイギリスの巨匠マイク・リー監督が手掛けた新作『家族の庭』について、主演のジム・ブロードベントルース・シーンが語った。

マイク・リー監督、ジム・ブロードベント 、ルース・シーン出演映画『家族の庭』場面写真

 同作は、地質学者のトム(ジム・ブロードベント)と医学カウンセラーのジェリー(ルース・シーン)は仲睦まじく暮らしていたが、ある日ジェリーが同僚のメアリー(レスリー・マンヴィル)を夕食に招待した際に、彼らの息子にメアリーがアプローチをかけたことから、その関係が微妙に変化し始めていくというドラマ作品。

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 マイク・リー監督は脚本を書かず、俳優とともにキャラクターを作り上げていくが、それはとても俳優にとって価値があるものなのかとの質問に「そうなんだ。キャラクターの構成にかかわれることは、本当に素晴らしいことだと思う。キャラクターの構成だけでなく、例えば家のロケーションやどのような家に住んでいるかまで想像して、マイク・リー監督から、この家に住むことを想像できるかい?と実際に話しあって決断していくんだ。そのほかにも着ている服やヘアースタイルも、マイク・リー監督と仕事をすると深い意味合いを持つようになっていくんだよ」とジム・ブロードベントは語り、さらにリハーサルのプロセスだけでも5か月費やしたことを明かした。

 これまで何度もマイク・リー作品に出演してきたルース・シーンは、マイク監督との仕事を振り返ってみて「わたしはマイク・リー監督と一番最初に仕事した映画『ビバ!ロンドン! ハイ・ホープス ~キングス・クロスの気楽な人々~』が一番好きで、あの映画では素晴らしい時間を過ごせたの。それまでは、舞台ばかりに出演していて、テレビ番組の出演もわずか一回くらいだったの。だから自分の人生は舞台だけだとも思っていたわ。あの映画では撮影中にずっと笑っていられて、今でもそれが頭に残っているの。けれど、最初の頃の彼の演出は、少々耳障りに感じたこともあったわね(笑)。ただ、いつも彼は我々俳優を驚かせる手法を持ち合わせてもいるの」と述べた後、さらに最初のマイク監督との仕事から20年間経過しているが、女優としての変化について聞いてみると「年を取っただけよ!(笑)今回の作品と最初の作品を比べると、(女優として)かなり変わっていると思うわ。ただ、今も昔も仕事をもらうことが大変なのは同じね、特にわたしにとっては……。わたしも、ほかの人と同じようにそれなりに成長しているだろうけれど、心底ではそんなに変わった気がしないわ」と本人は内面的にそんなに変わっていないと答えたが、マイク・リー監督からは絶大な信頼を受けているようだ。

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 映画『トプシー・ターヴィー』以来、再び共演したレスリー・マンヴィルについてジム・ブロードベントは「『トプシー・ターヴィー』でレスリーと共演したときは夫婦関係だったんだ。今回レスリーが演じたメアリーは、職場でしっかり仕事ができないくらい、個というものを持ち合わせていないキャラクターの設定で、個を持っていないがゆえに、あえてメアリーは行動で人の注意を引こうとする。もっとも実際のレスリーは、このキャラクター、メアリーとは全く正反対の性格で、共演していてそのキャラクターとの変化が面白かったんだ」と語ってくれた。

 映画はありふれた日常を描いているが、このような自然なシーンが生まれるのも徹底的なキャラクター構成によるものであることが良く理解でき、さらに観客はそんなキャラクターに徐々にのめり込んでいくことになるだろう。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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