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アカデミー賞短編ドキュメンタリー部門で、オスカー最有力候補の缶やボトルを集める人々を描いた映画とは?

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共同監督のマシュー・オニール(左)、ジョン・アルパート(右)
共同監督のマシュー・オニール(左)、ジョン・アルパート(右)

 今年のアカデミー賞短編ドキュメンタリー部門にノミネートされている注目の映画『レデンプション(原題) / Redemption』について、共同監督ジョン・アルパートとマシュー・オニールが語った。

 同作は、ニューヨークで空になったアルミ缶やボトルを袋一杯に集めてスーパーのカゴに入れて運び、さらにそれをお金に換えて生活を送る人々に焦点を当てたドキュメンタリー作品。撮影の対象者の中にはホームレスの人もいれば、アパートで暮らす人もいる点も注目だ。

 まず、ジョン・アルパートはその缶やボトルを集める人々について「映画内では5人の缶やボトルを集める人々を映し出している。その中には公園の横で寝て、自分で作った自転車で缶やボトルを集める黒人男性ジェイミー、過去に工場やレストランで働いていた中国人女性リリー、大学を卒業してマイクロソフトなどで働いていたが、今はこの仕事をしている年配の白人女性スーザン、エクアドルから来た4人の娘を持つ女性ヌーヴェ、そして日系アメリカ人のジョンだ」と述べた。

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 その日系アメリカ人男性ジョンという人物についてマシューは「彼はワールド・トレード・センターにあったコンピュター会社で働いていたらしいが、9.11の同時多発テロでビルが崩壊して職も失ってしまい、今ではロウワーイーストサイドでホームレスをしているんだ。僕も彼の素性にはそれほど詳しくないが、おそらく、彼は精神的にもいろいろ問題を抱えていたのかもしれない」と語り、日系アメリカ人が居たことに驚かされた。

 今作の制作意図についてマシューは「ニューヨーク住んでいると、家やアパートの前で缶やボトルを集めるホームレスを見たことはあるけれど、おそらくほとんどの人は、彼らがどんな人物なのか知らないと思う」と、どういう人物なのか知ってほしいと答えた。また、ジョンは「レストランや店を経営する人々は、その横で缶やボトルを集める人々たちに対して問題を持ち込んでくる貧困者扱いをするが、彼らはあくまで我々の社会の端に居る人々で、階級(上流、中産、労働者)の枠から外れてしまっただけだと思っている」と述べた。

 最後に、年配のホームレスの人々は、ボトルは運ぶのには重いので、缶を集めるようにしていることや、アパートの大家と交渉して缶やボトルを毎日もらっている人もいることをマシューが明かした。映画はわずか35分だが、生活のために彼らが缶やボトルを必死に集めて働く姿勢は、他の労働者と全く変わらず、強く訴えかけてくるものがあった。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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