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永瀬正敏、佐野史郎ら感無量…唐組の聖地「紅テント」で映画上映

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紅テントでの上映に感慨深げな佐野史郎、林海象監督、永瀬正敏
紅テントでの上映に感慨深げな佐野史郎、林海象監督、永瀬正敏

 俳優の永瀬正敏が22日、劇作家・唐十郎の公演でおなじみの唐組紅テントで行われた、映画『彌勒 MIROKU』のフィルムオーケストラ付き上映会に出席した。普段、外部の人間に貸し出すことがなく映画の上映もまれだという、紅テントでの上映会に永瀬は「とても緊張しています。僕みたいなものが唐さんの聖地に立てるなんて。本当に唐組の人に感謝したい。とても光栄です」と感激の表情で語った。

永瀬正敏、感無量…映画『彌勒 MIROKU』上映会フォトギャラリー

 舞台あいさつは映画上映後に行われ、永瀬の他に土村芳佐野史郎近衛はな四谷シモン中里宏美大西礼芳水本佳奈子土居志央梨林海象監督、オーケストラメンバーらが出席。中でも、永瀬と同様に感慨深げな表情を見せていたのが、かつて唐一門だった佐野だ。

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 「紅テントで映画の上映をして、そこに自分が出ているなんて夢みたいです」という佐野は、「紅テントから一度は逃げ出したくせに、また戻ってきてしまうという、うれしいような複雑な心境です」とコメント。これに林監督は「唐さんのところでやるので、元唐組(状況劇場)の人に極力出てもらいたいと思った」と話し、佐野は監督に「ありがとうございます」と感謝の気持ちを述べていた。

 本作は、林監督が、京都造形芸術大学映画学科の90人の学生たちと作り上げた、作家・稲垣足穂による自伝的小説の映画化。多彩な実験的映像を取り入れ、音楽が入っていないバージョンを生演奏付きで上映するという、世界でもまれな試みにも挑戦しており、林監督は「わたしの気持ちが伝えられるものができた。これが映画の新しい形になれば」と笑顔で語っていた。

 これまでに京都文化博物館、京都芸術劇場 春秋座、神戸市のKIITOホール、青森の津軽伝承工芸館、横浜赤レンガ倉庫で上映会を行い、この日と23日の2日間は、池袋鬼子母神に設営された唐組紅テントでの上映となった本作。林監督は「ここでやると劇的。ここでやってよかった」とうれしそうに感想を述べていた。(取材・文 名鹿祥史)

映画『彌勒 MIROKU』(映画版)は10月26日よりシネマ・ジャック&ベティにて公開
映画『彌勒 MIROKU』(生演奏版)は10月23日に雑司ヶ谷鬼子母神の東京唐組紅テントにて上演

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