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中村七之助、亡き父・勘三郎さんへの思い…その偉大さを語る

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父・勘三郎さんへの思いを語った中村七之助
父・勘三郎さんへの思いを語った中村七之助

 21日、故・中村勘三郎さんの次男で歌舞伎俳優の中村七之助が、東劇にて行なわれた『映画 中村勘三郎』公開記念舞台あいさつに登壇し、昨年12月に逝去された父への思いを語った。

 約7,000時間にもわたる勘三郎さんと家族の映像の中から厳選された95分が詰まっている本作。「寝るときと用を足す以外はほとんどカメラが側にいるような生活でした。父のすごいところは全くカメラを嫌がらなかったんですよ。僕らなんかは嫌なときもあったのですが、いつも笑顔で『ここは撮っておいた方がいいんじゃない』なんてこともしばしばありました。舞台もそうですが、決して的を外さない人でした」と七之助は故人をしのんだ。

 「とても気を使う人で、常にお客様のことを考えて、中村勘九郎、勘三郎という人物を演じているようでした」と亡き父を表現した七之助。「とにかく作品への愛情、お客様に喜んでもらうということを心掛けている人でした」とその思いを吐露した。

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 コクーン歌舞伎やニューヨークでの公演など、常に新しいことにチャレンジしている印象が強い勘三郎さんだが、七之助は「いつも僕らには『江戸時代のように誰もが歌舞伎を観る世の中なら、俺は鏡獅子のようなものをやっていたいんだよね』って話していたんです。『お前らはコクーン歌舞伎に出したくない』って。父がいろいろなことをやれたのは基礎がしっかりしていたから。僕らが、父のまねばかりしていたら誰もついてこなくなります」と改めて父の偉大さに思いをはせていた。

 「父は(六代目・中村勘九郎の長男)七緒八のことが大好きで色々なことを教えたがっていたんです。これからは兄と僕が教えていかないと……」と歌舞伎界の未来を見据えていた。

 本作は、伝統芸能・歌舞伎を後世に伝えるために心血を注いだ十八代目中村勘三郎の歌舞伎役者としての顔や、二人の息子への思いなど、約7,000時間にも及ぶ秘蔵映像を元に構成されたドキュメンタリー映画。(磯部正和)

『映画 中村勘三郎』は12月21日~2014年1月10日まで東劇にて3週間限定上映

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