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『IT/イット』完結編、リッチーの秘密はいつ決めた?監督が明かす

1作目『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』でのリッチー、ビル、エディ
1作目『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』でのリッチー、ビル、エディ - Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 映画『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』のアンディ・ムスキエティ監督とプロデューサーのバルバラ・ムスキエティ(二人は姉弟)が来日時にインタビューに応じ、本作で明かされる“リッチーの秘密”について語った。(※以降、完結編『IT/イット THE END』のネタバレを含むので鑑賞後にお読みください)

【画像】面影ありすぎ!大人になったルーザーズ・クラブ

 相手が恐れているものに姿を変えるITと、落ちこぼれの子供たち7人組=ルーザーズ・クラブの闘いを追った前作。完結編ではそれから27年後、連続児童失踪事件が再び発生してITが町に戻って来たことを知ったルーザーズが、大人になって集結するさまが描かれている。子供時代のみを切り取った前作とは違い、本作ではスティーヴン・キングの原作と同様に過去と現在がシームレスに展開していき、子供時代の新事実も明かされる。

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アンディ・ムスキエティ、バルバラ・ムスキエティ
来日したアンディ・ムスキエティ監督&バルバラ・ムスキエティ

 その一つが、リッチーはゲイだということだ。この設定は1作目の時から決めていたのかという問いに、アンディ監督は「1作目の時ではなかった。2作目は1作目とは違うビートの作品で、新しい情報を伝えるものになるということはわかっていたが、それが実際に何なのかはわからなかった。だけど僕は、何かサプライズが絶対に必要だと思っていたんだ。だから1作目ではオープンにしておいて、2作目で何かが起きうる余地を残していた」と打ち明ける。

 一方のバルバラは、その要素はそもそもキングの原作小説にあったとコメント。「最初に原作を読んだのは14歳か15歳の頃なのだけど、エディが死に、リッチーがエディにさよならを告げるシーンで、リッチーがエディの頬にキスをするという描写がある。その時に『リッチーはゲイなんだ』と思ったのを覚えているわ。だからアンディがそれを映画に持ち込んだ時、とても自然に感じたの」。アンディ監督は「原作ではとてもさりげない感じで、確定も否定もされていないと思う。それはプラトニックで、決して花開くことがなかったものなんだ」とリッチーのエディへの思いを補足した。

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 大人リッチーを演じたビル・ヘイダーと、子供リッチーを演じたフィン・ウォルフハードとは、リッチーが辿ることになる旅路についてよく話し合ったという。アンディ監督は「彼のトラウマは、初めて心のままに行動し、内面を見せた時(=ゲームセンターでの出来事)に辱めを受けたことによるもの。それで彼は自分の本質、本当のセクシャリティーを隠さなきゃいけないと思った。そしてそれがどんどん悪化していった。最終的に大人になり、彼はいくつもの仮面で自分を隠すようになった。ゲイの男性だとバレることを恐れていたんだ」と語り、原作にも登場する巨大な木こり、ポール・バニヤン像を「ゲイのアイコンにもなり得る」とそのまま採用することにしたと続けた。

 子供ルーザーズで言えば、本作では彼らの秘密基地が満を持して登場する。アンディ監督は「秘密基地は1作目に入れたかった要素なんだけど……お金がもらえなくて(笑)。だから2作目に入れることにしたんだ。今回は製作費も撮影できる日数も多くなったから。彼らの友情はあそこで育まれたから、僕にとって秘密基地のシーンは重要だったんだ」と思い入れの深さを明かす。

 リッチーとエディが秘密基地のハンモックでじゃれ合う場面は、めちゃくちゃキュートかつ美しい。アンディ監督は「リッチーがハンモックにいるシーンのアイデアは、エディとリッチーがいつも言い争っているというところから思い付いた。もともとのアイデアは、エディがすごくイラついていて、それはゴミで作ったクズみたいなハンモックにお構いなしに飛び乗ったら、すぐ壊れてバラバラになってしまったからというというものだった(笑)。いいアイデアだったんだけど、撮影する時間がなくてね」と振り返っていた。(編集部・市川遥)

映画『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』は公開中

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