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天然&ホンワカだけではない!? 綾瀬はるかのギャップを楽しむ映画6選

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 老若男女問わず、非常に好感度の高い女優・綾瀬はるか(35)。映画やドラマはもちろん、バラエティーやCMなどで、コミカルからシリアスまで多彩な顔を見せるのも彼女の大きな魅力だろう。そんな綾瀬の主演映画『今夜、ロマンス劇場で』が16日、フジテレビ系・土曜プレミアムにて地上波初放送される。そこで、本作プラス、綾瀬のさまざまな魅力が詰まった映画作品を紹介したい。(文・磯部正和)

綾瀬はるか、モノクロ映画のお姫様に!【画像】

『ICHI』(2008)

 これまで武骨な俳優たちが演じてきたダークヒーロー・座頭市を、女性である綾瀬が演じることで大きな話題となった本作。前年に連続ドラマ「ホタルノヒカリ」が放送され、綾瀬は公私のギャップが激しい「干物女」を演じ、コミカルな印象がついていただけに、本作で見せた、目が不自由なため一点を見つめる鋭い視線や、激しいアクション、非情な立ち振る舞いなどは、綾瀬の新たな一面として高く称賛された。いまとなっては身体能力を活かしたアクションを得意としていることは周知されているが、このときの綾瀬のアクションシーンの“格好よさ”は非常に印象的だった。特に瞬きすることなく長ゼリフを決めるシーンは特筆すべきところ。また、先日まで再放送されていた名作ドラマ「JIN -仁-」でタッグを組んだ大沢たかおとの共演も胸キュンポイントかもしれない。

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『ハッピーフライト』(2008)

 徹底的に取材を重ね、丁寧な人物描写をすることで定評のある矢口史靖監督が、航空会社で働く人々の日々を描いたコメディー。綾瀬は、国際線デビューとなる新人キャビンアテンダント・斎藤悦子を演じ、劇中では騒動を引き起こすドタバタCAとして、コメディエンヌとしての資質が問われた。そんななか、いい意味で観客をイライラさせるぐらい絶妙なテンポでダメさ加減を発揮し、十二分に作品のなかでキャラクターの魅力を発揮した。矢口監督は俳優の知名度よりも、どれだけ自身がイメージした役柄にあっているかを重視してキャスティングする監督。ドジだが、一生懸命な悦子と綾瀬の本質が近いと感じたのだろう。そういう視点で観ると、まさにハマリ役と言えるキャラクターだった。

『おっぱいバレー』(2009)

 北九州のある中学。弱小男子バレー部の顧問に就任した新任女性教師・寺嶋美香子を演じた綾瀬。彼女は、やる気ゼロの部員たちをなんとか奮起させるために「試合に勝利したらおっぱいを見せる」という約束をなりゆきでさせられてしまう……。プロットだけを読むとコントのような展開に思われるが、監督は『海猿』シリーズの羽住英一郎、脚本がNHK連続テレビ小説「ひよっこ」などの岡田惠和だけあり、色物ではなく胸が熱くなる青春映画に仕上がっている。部員たちは“おっぱい”を信じて真面目に練習に取り組む。そんな生徒たちを微笑ましく思う反面、勝利してしまったらおっぱいを見せなくてはいけないというなかで葛藤する美香子。そんな悩ましい新米教師を綾瀬は爽やかに好演している。

 性に対して悶々とした男子中学生たちの憧れとして美香子先生が存在していなければいけないが、だからと言って刺激的すぎると下品になってしまう。綾瀬は下ネタ飛び交う生徒たちのマドンナとしていながら、決していやらしさを感じさせない絶妙なミューズ感を堪能させてくれる。仲村トオルが「ナイスおっぱい!」とつぶやくシーンも見どころの一つだ。

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『海街diary』(2015)

 マンガ大賞2013などを受賞した吉田秋生の人気コミックを、『万引き家族』などの是枝裕和監督が実写化した本作。異母妹を加えた4姉妹の共同生活を通じて、家族の在り方や生き方を問う。長澤まさみ夏帆広瀬すずというそうそうたる妹たちの長姉・幸を演じた綾瀬は、生真面目でしっかりしていながら、やや不器用という“かため”な女性を丁寧に表現した。次女・佳乃にふんした長澤が、恋とお酒が大好きな自由奔放なキャラクターを演じたが、その対比として綾瀬の演技は物語に重厚さをもたらした。バラエティーや映画の舞台あいさつなどで見せるホンワカとしたイメージが定着していた時期だけに、新鮮な綾瀬が垣間見ることができる。

『奥様は、取り扱い注意』(2020)※公開延期

 2017年に日本テレビ系で放送された連続ドラマの劇場公開版。綾瀬は某国に雇われた特殊工作員という過去を持ちながらも「家族と一緒に暮らす穏やかな生活」を望み、専業主婦として平穏な暮らしをする伊佐山菜美にふんする。ドラマ版では西島秀俊ふんする夫・伊佐山勇輝と銃を向け合うという衝撃のラストで終わっていたが、劇場版ではその後の展開が描かれる。前述した『ICHI』で身体能力の高さを発揮した綾瀬だが、その後も本ドラマや、NHKで放送されたドラマ「精霊の守り人」でキレキレのアクションシーンを披露。劇場版では、30代も半ばを迎えてのアクションだったが、身体の動きプラス深みのある演技で、さらなる魅力が爆発している。

『今夜、ロマンス劇場で』(2018)

 ラストは今夜オンエアされる本作。ここまで綾瀬のさまざまな顔が垣間見える作品を紹介してきたが、『今夜、ロマンス劇場で』には、可愛らしさ、聡明さ、強さ、美しさなどすべての魅力が詰まっている。綾瀬は、坂口健太郎ふんする映画監督志望の牧野健司が、足しげく通っている「ロマンス劇場」で上映されている映画のヒロイン・美雪を演じる。美雪は、モノクロのスクリーンから、カラフルな現実世界に飛び出し、生身の人間として生き生きと活動する。美雪はお姫様なので、ちょっと高飛車で牧野にも命令口調でおてんばな面がありつつ、レトロな衣装に身を包んだ街並みに溶け込む姿は美しい。さらにちょっと抜けた部分も併せ持ち、綾瀬はるかのフルコースが堪能できる極上のラブストーリーになっている。

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