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『アラビアのロレンス』から『ブレードランナー』まで時代を超える映像美の裏側

『アラビアのロレンス』
『アラビアのロレンス』 - Columbia Pictures / Photofest / GettyImages

 映画の世界には無数のスターと名作がある。そしてその輝きを映し出すのは、カメラのレンズを通じてである。全米映画撮影監督協会(ASC)が2019年に100周年を迎え、20世紀の映画撮影の業績をたたえた「映画の芸術と技術における画期的な100本の映画」を選出し、そのベストテンと「観るべき100本の映画リスト」を発表している。このたび、その選出された100本の映画を撮影したカメラマンにスポットを当て、その系譜をたどる「20世紀最高の映画100作品」(ビジネス社)が発刊された。

古澤利夫氏によって著わされた本書は、400人ものASC正会員たちが選び抜いた、技術的にも芸術的にも優れた作品群を映像芸術の歴史を紐解きながら、800枚にも及ぶ写真を通じて、映画の「見える」魔法の裏側に迫る。

 『アラビアのロレンス』『ブレードランナー』『地獄の黙示録』など、トップテンに輝いた作品群は、単に映画史上の名作としてではなく、撮影技術の観点からも、その時代を映し出す鏡としての役割を果たしている。本書は、これらの作品がなぜ画期的なのか、どのように映画撮影の地平を切り開いたのかを解き明かす。また、1920年から2000年にかけての90本の映画が、撮影監督たちの繊細かつ大胆な手法を通して紹介され、時代を超え、色褪せることのない映像の美しさが、ページをめくる手を止めさせる。各時代の技術的挑戦と革新、そして映画という芸術形式がどのように進化してきたかを物語る。

 本書は、映画撮影の専門家だけでなく、映画を愛するすべての人々にも映画鑑賞の深い理解を提供し、映画がいかにして私たちの心を動かすのか、その秘密に触れることができるだろう。映画ファンだけでなく、未来の映画制作者たちへの、時を超えた贈り物であると言っても過言ではない。420ページの中には、映画の歴史を築いてきたカメラマンたちの情熱と献身が凝縮されており、映画の魅力を再発見し、その裏にある技術と芸術に敬意を表するための一冊である。(編集部:下村麻美)

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