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ヒュー・ジャックマン、犠牲を払っても俳優であり続ける理由!ミュージカル『グレイテスト・ショーマン』の魅力

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『グレイテスト・ショーマン』

 世界の映画産業の中心・アメリカの最新映画情報を現地在住ライターが紹介する「最新! 全米HOTムービー」。今回は、ヒュー・ジャックマンと『ラ・ラ・ランド』のオスカー受賞ソングライターチームが組んだ話題のミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』を特集! アメリカでは昨年クリスマスに公開されてすでに1億ドル(約110億円・1ドル110円計算)を超える大ヒットとなっている本作について、ヒューをはじめとしたキャストと監督が語った。(取材・文:細谷佳史)

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ヒュー・ジャックマン念願のプロジェクト!

『グレイテスト・ショーマン』
まさに“グレイテスト・ショーマン”なヒュー・ジャックマン

 ヒューにとって『レ・ミゼラブル』以来5年ぶりのミュージカル映画となる本作は、彼が企画から関わった念願のプロジェクトだ。19世紀後半、世界最大といわれたリングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカスの創始者P・T・バーナムの波乱万丈の人生を描いている。俳優としてあらゆるジャンルをこなし、歌って踊れるヒューは、まさにハリウッドを代表する“グレイテスト・ショーマン”と言っていい。しかし、今回演じたバーナムには「ショーマンを越えたスケールの大きさがある」とヒューは明かす。

「スティーヴ・ジョブズやビル・ゲイツのように、彼はまるで違う形で世界を見ていた。そして彼らは文字通り、世界の風景を変えた。エンターテインメントのみならず、バーナムは現代のアメリカというものを発明したんだ。『人生は、自分がどんな生まれなのかで決まるのではなく、自分のイマジネーションと才能で決まる』と伝えることでね。僕はそんな大きな視点から世界を見ることはしない。でも、僕もショービジネス、シアター、旅するサーカスに属する人々は大好きだ。自分も旅するサーカスの一員みたいに感じる。それは楽しい。混沌、狂乱の中に投げ込まれて、それが終わると、またみんなあちこちに散らばっていくんだ」

 俳優としてショーマンとして、家族と長い間離れるなど多くの犠牲を払ってまで人々に娯楽を与え続ける理由について、ヒューは「それが人生に意義を与えてくれるから」と語る。

「僕は、成功したいとか、有名になりたいとかいう理由で演技をやったことはない。でも、大好きな仕事をすることができている僕は幸運だ。時には間違いを犯すこともあるし、自分が望むより多い時間を家族と離れて過ごしたりもする。僕が有名なせいで、子供たちまで公の目にさらすことになったりもする。それは子供にとって良いことではないかもしれない。だけど、最終的には、自分の子供たちが、『パパとママは、自分が情熱を感じることをやっている』と思ってくれることを願っている。それが、ネガティブな面を打ち負かしてくれることをね」

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ザック・エフロンとゼンデイヤが体現した悲恋

『グレイテスト・ショーマン』

 後にバーナムのビジネスパートナーとなるフィリップ・カーライルを演じたザック・エフロンにとって、本作は久々のミュージカル作品だ。ディズニー・チャンネルのテレビ映画「ハイスクール・ミュージカル」でスターになったザックには、ミュージカルに特別な思いがあるようだ。

「今作をやるのは、このジャンルに戻ってくる上で最高のやり方だった。マイケル・グレイシーの監督作で、ヒューの指導や助言の下で出来たんだからね。ミュージカルは、僕にとってとても大切なもので、それは舞台でもなんでも永遠にいつも僕の一部だし、僕らしいものだ。正直に言って、この作品のことを聞いた時、本当にとても興奮させられた。それにミュージカルで悲運な恋人を演じるのは、ずっと僕の夢だった。これは僕に『ロミオとジュリエット』を思い出させるんだ」

『グレイテスト・ショーマン』

 そして、エフロンの禁断の恋の相手を演じるのは、ディズニー・チャンネルでエフロンの後輩にあたる今注目の若手女優ゼンデイヤだ。エフロンとゼンデイヤの人種を越えたラブストーリーは、本作の大きな見どころでもある。

「わたしたちのストーリーは、どんな形でも、どんなやり方でも許されないラブストーリーなの。残念なことに、わたしたちは今でもその問題を抱えている。これは1800年代後半のサーカスを舞台にしているけれど、どんな時代のどんな場所のどんな二人にでも起こりえることよ。それが、この作品を時代を超えたものにしていると思う」

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とてつもない歌の力!

『グレイテスト・ショーマン』

 また本作には、見た目が奇妙なために隠れて暮らしていたが、バーナムの誘いでサーカスで働くことになったマイノリティーの人たちに向けた温かいメッセージが盛り込まれている。髭が生えた女性を演じ、先日ゴールデン・グローブ賞の歌曲賞を受賞した「This Is Me」を歌うブロードウェイ女優キアラ・セトルは、歌の力にあらためて驚いているという。

「今もしInstagramをチェックしたら、この歌を聴いた人、あるいはライブ映像を見た人から、45個ぐらいのメッセージが入っているはずよ。中には『わたしには12歳のダウン症の子供がいます。毎日がつらいです。でも昨日、あなたの歌を聴いて希望をもらいました』というものもあった。そういうメッセージがこの1か月半、次々に来るの。ハリウッドでは、みんな背が高くて痩せていて白人なの。でもわたしは違う。そして、そういうことをわたしは受け入れ始めた。この歌の持つその部分に、多くの人々が反応してくれたの。わたし一人じゃ無理だった。『自分と闘っているのはわたしだけじゃなかったんだ』と感じたわ」

 ヒューと以前CMの仕事をしたマイケル・グレイシーにとって、本作は初めての長編監督作だ。ミュージカルシーンの演出は特に秀逸で、とても初監督とは思えない見事な仕事を披露している。しかし新人監督にとって、ハリウッドでは特に作るのが難しいといわれているオリジナルのミュージカル作品に挑戦するのは、容易なことではなかった。グレイシーは「スタジオがフランチャイズ映画ばかり作っている環境では、クレイジーなアイデアだったね。初監督のオリジナル映画を、スタジオは普通やらないから(笑)。この映画が出来たのは、最終的にとてもリスクのある映画を応援してくれた20世紀フォックスのおかげだ」と笑った。

 『グレイテスト・ショーマン』は、ミュージカルナンバーの出来の良さとダンスシーンの斬新な映像が見事に絡み合って、オーソドックスな語り口ながら、映画ならではの醍醐味にあふれた娯楽大作に仕上がっている。昨年に続いて、ベンジ・パセックジャスティン・ポールのコンビが「This Is Me」でアカデミー賞の歌曲賞を受賞する可能性はかなり高いといっていいだろう。

映画『グレイテスト・ショーマン』は2月16日より全国公開

(C) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

【今月のHOTライター】
■細谷佳史(フィルムメーカー)
プロデュース作にジョー・ダンテらと組んだ『デス・ルーム』など。『悪の教典 -序章-』『宇宙兄弟』ではUS(アメリカ側)プロデューサーを務める。

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