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『ハリー・ポッター』あるある言いたい

 『ハリー・ポッター』シリーズは全部で8作。第1作は2001年公開、第8作は2011年公開なので、なんと10年に及ぶお付き合い。メインキャストのダニエル・ラドクリフエマ・ワトソンルパート・グリントもシリーズを通して子どもから大人へと成長しました。シリーズをすべてを観た人も観ていない人も思わずうなずいてしまう「あるある」がいっぱいです。(文・平沢薫)

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ダンブルドア先生はいつも正しい

ハリー・ポッター
みんな大好きダンブルドア先生。Photofest / Warner Bros. Pictures / ゲッティ イメージズ

 ダンブルドア先生は間違ったことを言いません。いつも周囲の意見に惑わされずに、真実を見抜きます。『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で生徒たちが石のように硬直させられて、みんながハリーを犯人ではないかと疑ったときも、ダンブルドアだけはハリーは無実だと知っていました。校長になる前の教師時代、当時ホグワーツ魔法魔術学校の学生だったハグリットが、若きトム・リドルに濡れ衣を着せられて退学になったときも、ダンブルドアだけはハグリットの無実を信じ、当時の校長を説得して森の番人として学校に残れるようにしてくれました。正しくて優しい、教師になるべくしてなった人なのです。

ホグワーツの食堂の料理が美味しそう

ハリー・ポッター
ロケ地であり大広間のモデルとなったオックスフォード大学の「ザ・グレート・ホール」。Loop Images / Universal Images Group via Getty Images

 ホグワーツの生徒全員が集合する大広間での食事シーンが出てくるたびに、思わず見てしまうのは、テーブルの上にあふれんばかりに用意された料理やお菓子。どれもとっても美味しそうじゃないですか? それもそのはず、第1作でテーブルの上にあるのは、クリス・コロンバス監督のこだわりで、単なる撮影用ではなく、どれも実際に食べられるもの。生徒たちが美味しそうに食べているのは、演技ではなかったそうです。ところが、本物の食物は撮影用のライトの熱で、ものすごい匂いを発してしまったそう。そこで、第2作以降では本物の食物を凍らせて型を取り、本物そっくりの偽物を作って使ったそうです。  

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新任教師には裏の顔がありすぎ

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ピンク大好きアンブリッジ先生。Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 ホグワーツは新人教師を採用するときに、経歴調査をした方がいいんじゃないでしょうか。なぜか新任教師はみんな、本当の顔を隠している人ばかり。『ハリー・ポッターと賢者の石』のクィレル先生は、ヴォルデモート卿の手先。『ハリー・ポッターと秘密の部屋』のロックハート先生は、経歴詐称で魔術がド下手。『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』のムーディ先生なんて、実は別人ですよ!? 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』のアンブリッジ先生は、最後は極悪人が収容されるアズカバン監獄行き。 ホグワーツがどうやって教師を決めているのか、かなり気になります。  

ハリーは意外な人とカップルになる

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運命の人は親友の妹。Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 主人公とヒロインがカップルになるのがお約束なので、いずれはハリーとハーマイオニーがカップルになるのかなぁと思った人も多いはず。ダンブルドアさえ『ハリー・ポッターと謎のプリンス』でハリーにハーマイオニーと付き合っているのかと聞いたくらい。ところが、ハリーのお相手はサブキャラばかり。初恋はレイブンクロー寮のチョウ・チャンで、すぐに破局。次のお相手は、ロンの妹ジニー・ウィーズリーで、こちらは長続きして結婚、子どもが3人生まれます。  

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子役俳優たちがびっくりするほど成長する

ハリー・ポッター
すっかり“男”になったマシューとトム。Stephen Lovekin / Getty Images

 ホグワーツの生徒を演じる俳優たちがどんどん成長していく様子が見られるのもこのシリーズの魅力。特に『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』からは、制服ではない普通の私服姿のシーンが増えて、みんな子ども時代を脱してティーンエイジャーになったんだなぁ、としみじみ。中でも驚くべき急成長を見せたのは、ハリーの宿敵ドラコ・マルフォイ役のトム・フェルトンと、ネビル・ロングボトム役のマシュー・ルイス。ドラコがどんどん骨太男子っぽくなっていくのと、ネヴィルの身長がどんどん伸びてマッチョになっていくのは、どちらも予想外でビックリ。

若い頃のヴォルデモート卿を演じた俳優はイケメンに成長する

ハリー・ポッター
ブレイクなるか!? フランク・ディレイン。Albert L. Ortega / Getty Images

 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の16歳のトム・リドル役を演じたクリスチャン・コールソンは、映画『人生は小説よりも奇なり』や「モーツァルト イン ザ ジャングル」などで活躍し、今や41歳のイケオヤジに。『ハリー・ポッターと謎のプリンス』で11歳のリドルを演じたヒーロー・ファインズ=ティフィンは、ヴォルデモート卿役のレイフ・ファインズの実の甥。今は映画『アフター』などに出演する一方で、ドルチェ&ガッバーナなどのモデルとしても活動する22歳。同作で16歳のリドルを演じたフランク・ディレインはドラマシリーズ「ウォーキング・デッド」のスピンオフシリーズ「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」でのニックを演じた29歳のイケメン俳優です。

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サブキャラを演じた若手俳優がビッグになる

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新バットマンのロバート・パティンソン。Axelle / Bauer-Griffin / FilmMagic / Getty Images

 サブキャラ役の俳優たちがビッグネームになって大活躍中。まず、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』でハリーと共に三大魔法学校対抗試合のホグワーツの代表選手になったセドリック・ディゴリー役のロバート・パティンソンは、『トワイライト』シリーズを経て、『ザ・バットマン(原題) / The Batman』の新たなバットマン役に。ロンの兄ビル・ウィーズリーを演じたドーナル・グリーソンは、『レヴェナント:蘇えりし者』『エクス・マキナ』など映画賞レースでも話題の映画を経て『スター・ウォーズ フォースの覚醒』からの続三部作のハックス将軍に。そのビルの妻になる、フラー・デラクールを演じたクレマンス・ポエジーも、『あしたは最高のはじまり』『ジャコメッティ 最後の肖像』などインディ映画を経て、この夏全米公開のクリストファー・ノーラン監督の新作『TENET テネット』でロバート・パティンソンと再共演します。  

大人役の俳優は英国の人気俳優が勢ぞろい

ハリー・ポッター
イギリス王室から大英帝国勲章第2位を叙勲されているマギー・スミス。Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 主要キャラを演じるのが、レイフ・ファインズ、アラン・リックマンという演技派に、マイケル・ガンボンマギー・スミスという大御所。サブキャラもゲイリー・オールドマンヘレナ・ボナム・カーターエマ・トンプソンデヴィッド・シューリス、毎回変わる新たな先生役もケネス・ブラナーブレンダン・グリーソンイメルダ・スタウントン、ちょっとしか登場しない役もビル・ナイジョン・ハートリス・エヴァンスと名の得る英国俳優が勢ぞろい。原作がイギリスのベストセラー小説だけに、まるで英国俳優図鑑!

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ワーナーのロゴマークの色がどんどん暗くなる

ハリー・ポッター
ラストの『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』のポスターは血だらけ。Warner Bros. Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 映画の冒頭に出てくるワーナー・ブラザースのロゴマークの色が、どんどん暗くなっていくのもこのシリーズならでは。最初はファンタジーの夜空っぽい色でしたが、どんどん色が暗くなり、モノクロに近づいていきます。これはそれぞれの作品の雰囲気に合わせたもので、シリーズが進むのに連れてヴォルデモート卿側の勢力が力を増していき、ハリーたちの気持ちが暗くなっていきます。また、シリーズ前半では悪人以外は誰も死ななかったのに、後半になるにつれて、どんどんハリーの身近な人たちが死んでいきます。ハリーの生きる世界が暗くなるのに連れて、ロゴも暗くなっていくのでした。  

最後まで観るとスネイプ先生ファンになっている

ハリー・ポッター
泣けるエピソードがあるんです。Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 アラン・リックマンは惜しくも2016年にこの世を去りましたが、彼が演じるスネイプ先生は、このシリーズのファンには忘れられない存在。スネイプ先生は、最初はまるでハリーに意地悪をする悪役のように登場し、その後、ダンブルドア校長が彼を信頼していることや、若い頃のエピソードも描かれますが、ハリーはなかなか彼を信用しないし、彼が何を考えているのかは最後まで描写されません。でも、シリーズを最後まで観てから振り返ると、このシリーズはまるでスネイプ先生の物語だったようにも見えてきます。そして誰もがスネイプ先生を好きになっているはず。

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