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「ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ」第3話:すれ違うリック&ミショーンに衝撃のラスト

今週のウォーキング・デッド

 海外ドラマ「ウォーキング・デッド」の人気キャラクター、リックとミショーンのその後を描くスピンオフ「ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ」第3話「葛藤」が、U-NEXTで日本配信された。ようやく再会した2人だが、脱出についての考え方で微妙なすれ違いが……。リックとミショーンは今、何を思っているのか。(文・平沢薫)

※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ」第3話をまだ観ていない方はご注意ください。

ミショーンを救いたいリック、2人でなければ納得しないミショーン

 あんなにもお互いを理解し合い、強く結ばれていたリック(アンドリュー・リンカーン)とミショーン(ダナイ・グリラ)の考え方に、微妙なズレが生じてしまう……第3話では、そんな衝撃的な心理ドラマが描かれた。リックは、ジェイディス(ポリアンナ・マッキントッシュ)から「もし2人で逃げたら、リックのコミュニティーの全員を殺す」「もし私を殺したら、リックやコミュニティーのすべてを記したファイルが公開される」と脅迫され、ミショーンだけをCRM(Civic Republic Military/市民共同体軍)から逃すことを計画する。しかし、ミショーンは2人一緒に逃げるのでなければ納得しない。彼女はリックに「自分を愛しているなら逃げてくれ」と言われても、ただ黙ってじっと彼の顔を見る。そんな2人が、どのようにしてこれまでのような絆を取り戻すのか。それが、次週から始まるシーズン後半の物語になりそうだ。

 今回は、これまで少し疑問だった細部の背景も判明した。ジェイディスの言葉から、彼女がCRMを知っていたのは、クズ山のリーダーだった時に、CRMの方から接触してきたからだったと分かる。そして、ミショーンが市民共同体の広場でベンジロー似顔絵店を見つけて、リックが持っていたミショーンと娘ジュディス(ケイリー・フレミング)の似顔絵が描かれたスマートフォンは、リックがこの店で依頼したものだったことも分かった。絵にカールの顔がなかったのは、リックがカールを忘れたからではなく、似顔絵が難しかったからという理由も心が温まる。リックとはすでに再会しているミショーンが、店主に「今度は私が彼を捜す」と言うのは、「昔のリックを探す」という意味だろう。このセリフは胸を打つ。

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ベンジロー似顔絵店の店主を演じたジュリアン・スィーヒ - Bruce Glikas / Getty Images

 ちなみにこのベンジロー似顔絵店の店主を演じている俳優ジュリアン・スィーヒは、日本人女優の水沢アキと元夫の米ビジネスマン、ガイ・スィーヒの息子。ドラマシリーズ「マーダーズ・イン・ビルディング」シーズン1(2021)や、歌手の赤西仁との冠番組「JIN & JULES Powered by NO GOOD TV」(Huluで配信中)に出演している。

 そんな物語を描く今回の脚本家は、新顔とベテランのコンビ。シリーズ初参加のガブリエル・ラナスは、ドラマ「スーパーガール」シーズン2~4(2016~2018)などを担当。もう一人のマシュー・ネグレテは、「ウォーキング・デッド」シーズン4~9(2013~2019)の脚本を執筆し、製作にも名を連ねている。スピンオフ「ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド」シーズン1~2(2020~2021)では、スコット・M・ギンプルと一緒にクリエイターを務めた。これまでの細部をフォローする場面が描かれるのも、納得がいく。

今後のキーマン?最上級曹長ソーンに注目

 第3話の展開を受けて要注意人物になったのが、第1話から登場しているリックの同僚兵士パール・ソーン(レスリー=アン・ブラント)。今回、最上級曹長に昇進した彼女は、自分の命を救ってくれた元上司、故・オカフォー大佐(クレイグ・テイト)を尊敬しており、彼が実力を認めていたリックにも一目置いているが、完全には信用していない。リックに頼まれて、市民共同体の受託者として受け入れたミショーンについても、彼女が自分の立場を危うくする要素になるなら排除した方がいいと考えている。今回も、彼女がミショーンに銃口を向けるシーンがあり、これから、リックとミショーンの行く手を阻む人物になるかもしれない。

 また、気になるのは、彼女が昇進後に知ったCRMについての新事実だ。彼女はその説明を聞いて「軍の趣旨を理解した」と言うが、その「軍の趣旨」とは、CRMの表向きの目的である「共同体の保護」とは別の、本当の目的のことだろう。それが何なのかが、これから明かされるはず。

 ソーン最上級曹長を演じる女優レスリー=アン・ブラントは、人気ドラマ「LUCIFER ルシファー」シーズン1~6(2016~2021)で、ルシファーと一緒に地獄からやってきて、彼に仕える魔物メイズを演じていた。メイズはセクシーな小悪魔系キャラだったので、今回のストイックなソーン曹長を見ると、その変貌ぶりに目を見張るが、戦闘能力が高いところは共通だ。

 そして、第3話はショッキングなラストシーンで幕を閉じた。ミショーンを安全な共同体に戻すため、リックが彼女をヘリで移送している途中、ミショーンがリックを道連れにして一緒にヘリから落下した。ミショーンはどんな作戦を考えているのか。彼女はリックを説得することができるのか。次週の第4話は、ミショーン役のダナイが脚本を執筆している注目エピソード。一体何が起きるのか、目が離せない。

「ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ」第3話はU-NEXTで独占配信中(全6話、毎週月曜日に1話ずつ追加)

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