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カンヌに突然登場した日本人ムッシュ・モリモトって誰?

第61回カンヌ国際映画祭

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ムッシュ・モリモトこと森本兼市さん
ムッシュ・モリモトこと森本兼市さん - Photo:Harumi Nakayama

 第61回カンヌ国際映画祭にて、日本の68歳になる無名俳優が監督週間部門出品の仏映画『ムッシュ・モリモト』で主演し、この程カンヌデビューを果たした。この俳優は、パリ在住のアーティスト森本兼市さん(本名は健一=68歳)。主人公同様に郵便局に務める公務員だったが、アーティストを夢見て定年退職後の2000年、家族を熊本に残してたった一人で渡仏した。トレードマークは、郵便局員時代から生やしているという、クルリと円を描いた白ヒゲ。

 このユニークなルックスに引き寄せられたのか、ある日、パリで画廊巡りをしていたところ、本作品のニコラ・ソルナガ監督にスカウトされたという。実は森本さんは、いまだにメモ片手に片言の仏語しか話せず「最初にニコラに声を掛けられた時も、『なんだかガチャガチャ言ってるな』ぐらいしか分からなかったんです。映画に出るなんて戸惑ったんですけど、ニコラの熱意に負けました」と笑う。映画は、森本さんのキャラクターをそのまま生かし、ボヘミアン生活に憧れてパリにやって来た自称・画家の“ムッシュ・モリモト”が主人公。家賃が払えずアパートを追い出されたムッシュ・モリモトが、個性的なアーティストやホームレスなどユニークな人々との交流を重ねながらパリを彷徨うファンタジーだ。

 ただし実際は、家賃滞納することもなく、年金暮らしで安泰だとか。もちろん、慣れぬ外国で苦労もあるが、「絵を描いていると癒されますから。いつか移住しようと、世界各国いろいろ下調べで回りましたが、パリが一番芸術性が高いですね」と第2の人生を謳歌しているようだ。森本さんの高血圧を心配する家族からは、帰国を勧められているが、80歳ぐらいまではこっちで頑張りたいです」と、やる気十分だ。劇中には、森本さんが描いた“蝶を捕まえようとする猫の絵”も登場する。これは、猫が森本さんで蝶が「夢」を表しているとか。思わぬ俳優デビューを果たした今、画家として成功する夢を捕まえる日も、そう遠くはないかもしれない。(取材・文:中山治美)

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