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ユアン・マクレガーが語るスマトラ島沖地震の大津波の被害を受けた家族を描いた新作とは?

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大津波を描く映画『インポッシブル』に出演しているユアン・マクレガー
大津波を描く映画『インポッシブル』に出演しているユアン・マクレガー - George Pimentel / WireImage / Getty Images

 スコットランド出身の人気俳優ユアン・マクレガーが、オスカー候補の新作『インポッシブル』について語った。

ユアン・マクレガー出演 映画『砂漠でサーモン・フィッシング』写真ギャラリー

 同作は、マリア(ナオミ・ワッツ)とヘンリー(ユアン・マクレガー)夫婦は、3人の息子を連れて南国タイのリゾート地を訪れたが、クリスマスの翌日に発生した大地震によって巨大な津波が押し寄せ、プールで遊んでいた家族をすべて飲み込み、家族の生死をかけた壮絶なサバイバルが始まっていく。2004年12月26日のスマトラ島沖地震によって引き起こされた大津波に襲われた実在の家族をモデルに、映画『永遠のこどもたち』のフアン・アントニオ・バヨナ監督が映画化した作品。

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 まず、出演経緯について「父親役を演じることは自分にも子どもが居るため、そんなに心配はしていなかった。長い間父親役を演じていなかったことが、今作へ出演する要因となったんだ。それは、父親役の観点から、俳優としての自分を探索することでもあった」と答え、さらに息子役の3人については「長男ルーカスを演じたトム・ホランドは、小さい頃からイギリスの舞台で観客を前に演技をしていて 、今作でも素晴らしい演技を見せてくれた。他の2人の息子トーマスとサイモンを演じたサミュエル・ジョスリンとオークリー・ペンダーガストは、自然な演技を披露してくれたよ」と語った。

 実在の家族との出会いについて「僕は映画『砂漠でサーモン・フィッシング』の撮影で、撮影前に今作のモデルとなった実在のスペイン人の家族に会うことができなかった。でも、ヘンリー役のモデルとなった父親とは、事前に電話で話ができたんだ。ただその際に、(演じるために必要な個人的な)質問を十分できなかった。なぜなら、家族が生きているのか、亡くなってしまっのかが全くわからないという想像を絶する恐怖を生き抜いた人に対して、 俳優の準備で質問することに恐縮してしまったからなんだ。だが、撮影開始から1か月後に、彼ら家族はセットを訪れてくれた。モデルとなった父親は、僕よりもずっと背が高かったが、僕はあくまで脚本に記された父親の要素を信じて、 そのまま演じることに集中したんだ」と答えた。

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 災害で亡くなった人たちへの責任について「実際に津波で亡くなった人たちや家族を失った人たちに対して、明確な責任を感じていたが、脚本を読む前は今作を製作するのが正しいのかと問いただしたことはなかった。でも脚本を読んでみて、パーソナルなストーリーで、さらに津波という災害に巻き込まれた家族の親密さに気付いて、どこか頭の中で、今作を製作することが正しいのかという疑念を持ち始めたんだ。それは僕自身も演じるうえで、真実で、正直な演技が要求されることになるという重要なことでもあった。そのため、ヘンリー役を演じるうえで、ヒーロー的な存在ではなく、あくまで家族を思う一人の父親としてアプローチすることになった」と明かした。

 映画は、家族が津波によって流される圧倒的な映像と家族愛が見事に描かれている映画に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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