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『スター・ウォーズ』監督の条件 シリーズの未来をプロデューサーに聞く

長年、名監督たちとわたり合ってきたキャスリーン・ケネディ
長年、名監督たちとわたり合ってきたキャスリーン・ケネディ

 映画『スター・ウォーズ』シリーズ最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』がついに公開される。本作を監督したライアン・ジョンソンは、続くエピソード9やスピンオフ作品の監督が相次いで降板するなか、予定通りに作品を仕上げ、次なる三部作のクリエイターにまで抜擢された。トラブルもなく偉大なシリーズを完成させた彼に備わった素質とは? 新シリーズのプロデュサーを務めるルーカスフィルム代表キャスリーン・ケネディに聞いた。

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 スティーヴン・スピルバーグ監督とタッグを組んだ『ジュラシック・パーク』など、大ヒット作を次々に生み出してきたキャスリーン。ジョージ・ルーカスから『スター・ウォーズ』を受け継ぎ、J・J・エイブラムスを監督に起用した続編『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は、アメリカ映画史上最高の興行収入を叩き出す大ヒットとなった。

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 そんな彼女から、『最後のジェダイ』で全幅の信頼を得たのがジョンソン監督だ。「ライアンのような才能豊かな監督を起用した以上は、彼自身のスタイルを生かしてほしいと思いました。撮影監督のスティーヴ・イェドリンと一緒に、スケール感がある、美しいビジュアルを生み出してくれたんです」とその出来栄えに自信をみせる。

 確かに『最後のジェダイ』は、『スター・ウォーズ』であると同時に、作り手のセンスを反映した “ライアン・ジョンソン監督作”になっていることが、短いフッテージ映像からも伝わってくる。キャスリーンが、ルールに従うのではなく、新しい何かを生み出せる若手を求めていたのは間違いないだろう。しかし、エピソード9(コリン・トレヴォロウ)とハン・ソロのスピンオフ映画(フィル・ロード&クリス・ミラー)の若手監督たちは降板し、エイブラムスとロン・ハワードという、実績と信頼を兼ね備えた監督に交代した。2人の実力派とジョンソン監督の共通点はどこにあるのか。

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名監督になる条件は十分? 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を手掛けたライアン・ジョンソン監督 Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 キャスリーンは「『スター・ウォーズ』のような規模の作品を手がけるには、強いリーダーシップが必要とされます。現場で働く大勢のアーティストが、満足のいく仕事をできるように指揮をする。それは想像以上に難しく、準備万端だと思っていても、作品の規模に圧倒されてうまくいかないことがよくあるのです」と言及。そのうえで「ライアンは、慎重に準備を進めていました。脚本だけではなく、1年あまりを絵コンテやプリビズ(シミュレーション映像)に費やし、クランクインの時には完璧に準備ができていた。それこそが素晴らしく、必要なことなのです」。

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 こうして、ライアンに名監督と通じるものを見出した彼女は、新三部作にジョンソン監督を指名した。新作はスカイウォーカー家の物語ではなくなるとされている。「その通りです。新しい世代が、これは自分たちの作品だ! と思えるものを作りたいと考えています」。

 製作が決定しているシリーズに加え、新たな三部作を作るとなれば、それに費やされる時間は膨大どころではないだろう。キャスリーンも「ルーカスフィルムのストーリーチームと物語やキャラクターを作り、そのアイデアを実現するため膨大なアートワークが描かれています。本当にとてつもなく時間のかかることです」と認めつつ、「でも大事なのは、それをするのが楽しいということなんです。だからいつでも続けられます」と笑みを浮かべた。(編集部・入倉功一)

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