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「シカゴ」ブロードウェイ再演のきっかけはわずか1週間の公演だった

ヴェルマとロキシーの両役を演じたことのあるビービー・ニューワース
ヴェルマとロキシーの両役を演じたことのあるビービー・ニューワース

 1996年にミュージカル「シカゴ」のリバイバル版に出演したビービー・ニューワースジョエル・グレイが、1月26日(現地時間)、ニューヨークのジェイコブ・ジャビッツ・コンベンション・センターで行われたブロードウェイ・コンに参加し、当時を振り返った。

【作品写真】アカデミー賞6部門を受賞した映画版『シカゴ』

 「シカゴ」のブロードウェイ再演のきっかけは、ニューヨークで長年リバイバルされていないブロードウェイ・ミュージカルに焦点を当てたイベントがあり、その対象作品に選ばれたことだったという。「わずか1週間の上演予定だったけれど、舞台監督のウォルター・ボビーは、キャスト陣を椅子に座らせ、俳優陣と一緒に脚本のページをめくったり、ダンスの際には脚本を置きながらリハーサルをしたの」とビービーは当時を振り返る。その時のプロダクションがあまりに素晴らしかったことから、ブロードウェイで再演されるといううわさがたっていたところ、しばらくして現実になったそうだ。

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 1975年のオリジナル・ブロードウェイ版「シカゴ」を観劇したというジョエルは、「オリジナルのパフォーマーは本当に素晴らしくて、舞台にはさまざまなセットや衣装が用意されていたよ。僕らのリバイバルよりもかなりリアルに見えたね。彼らが作り上げたものは、(今でも)全く価値が落ちないもので、(題材として)司法制度にも一石を投じていた。僕が演じたエイモス役はオリジナル版では、バーニー・マーティンが演じていたのだけど、彼は身長195cm、体重113キロもあったから、僕に出演依頼があった時、思わず『僕は適役ではないと思う』と答えたくらいだよ。一度は断ったものの、友人に素晴らしい楽曲を歌うことができると勧められてね。エイモスは、あくまで主役ロキシーからの愛情を得るために、行動することに焦点を当てて演じたんだ」と語った。

ジョエル・グレイ
エイモス役のジョエル・グレイ

 ヴェルマとロキシーの両役を演じたビービーは「ロキシーの方がステージにいる時間は長いけれど、ヴェルマの方が身体的な要求が多いと思うわ。ヴェルマは第1幕の冒頭では意気揚々で、刑務所で座りながらファンからのメール(郵便)の対応をしているけれど、すぐにその地位はロキシーによって奪われてしまう。その後、ヴェルマは必死になってナンバーワンの地位に返り咲こうとするの。一方、ロキシーは第1幕の冒頭では、完全などん底からスタートする。でも刑務所に入ってすぐに、ロキシーは全てがうまく行き始めるの。まるで世界中から『YES』と受け入れられているような感じになり、最後に全てを失うまでそれが続くわ。だから、二つの役は全く異なった体験だったわね」と振り返った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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