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虐待や自殺を乗り越えて…ハリウッドを代表する成功者が壮絶な過去を告白

壮絶な過去を乗り越え、ハリウッドでマルチな成功をおさめているタイラー・ペリー
壮絶な過去を乗り越え、ハリウッドでマルチな成功をおさめているタイラー・ペリー

 劇作家、脚本家、俳優、映画監督、映画製作者など、さまざまな顔を持ち、2011年にはアメリカのエンターテインメント業界で最も稼いだ人物に選ばれたタイラー・ペリーが、3月26日(現地時間)、ニューヨークのニュー・ワールド・ステージズで行われたQ&Aイベントで、自身の半生について語った。

【写真】人気コメディー映画シリーズでの女装姿

 タイラーはルイジアナ州ニューオーリンズの出身で、1990年代から2000年代の初期にかけて多くの舞台作品を手掛けた。その後、主演コメディー映画シリーズが人気を博し、映画『スター・トレック』『ゴーン・ガール』などにも出演。アカデミー賞を2部門受賞した映画『プレシャス』では製作総指揮も務めた。

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 ニューオーリンズでの幼少期は壮絶だったというタイラー。「小学校3年生レベルの教育しか受けていなかった父は、子供時代、何か悪いことをしたら、奴隷経験のある祖父から日常的に殴られていたそうなんだ。母も13歳の時に自分の母親を亡くしていたから、僕の両親は二人とも、子育てを理解していなくてね。特に、僕のような繊細でクリエイティブな子供を、どうやって育てるか見当もつかなかったんじゃないかな。だから父は精神的にも、肉体的にも僕を虐待し続けていた。まるで地獄だったよ」と子供時代を振り返る。

 あまりに虐待がひどく、2度も自殺を図ったそうだが、「(子供時代は)ぞっとするような虐待の毎日で、何もポジティブなことは起きず、愛情すら得られなかった。だから、なぜ、生き続けなければいけないのかと本当に思っていたんだ。あの時死んでいたら、その後僕が経験した素晴らしい日々を失うことになっていたよ。今、僕が死んだら、僕だけじゃなく、僕のもとで働く何百人もの雇用者や、僕が製作した映画を楽しんできた人たちにまで、影響を及ぼすことになる。だから僕は、僕と似たような人生の闇に陥った体験をした人々に会う度に、もう少し長く生きてみないかと問うんだ。必ずその闇から解放される時も来るはずだからね。今は、あの時僕を生かしてくれた神に感謝しているよ」と衝撃の過去を告白した。

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 そんな過去を乗り越え、今やメジャースタジオの中で初の黒人の経営者となったタイラー。彼が立ち上げたタイラー・ペリー・スタジオズは、ワーナー、ソニー、フォックス、ユニバーサルなどのハリウッドの大会社のスタジオよりも規模が大きいほどだ。現在の状況については、「とても良い気分だね。大きなスタジオがたくさんある中で、僕は唯一の黒人経営者だ。もし、現在のハリウッドの形態を変えたいなら、僕みたいに経営者になることは必要不可欠だね。僕のスタジオはさまざまな歴史的な出来事があった場所にあって、そこでは映画『ブラック・パンサー』やテレビシリーズ『ウォーキング・デッド』、ユニバーサル・ピクチャーズの作品群などを撮影しているんだ」と満足気な表情で答えた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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