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若い世代にも…ジャズの名門ブルーノート・レコードを追ったドキュメンタリー

ブルーノート・レコードのドキュメンタリーを手掛けたソフィー・フーバー監督
ブルーノート・レコードのドキュメンタリーを手掛けたソフィー・フーバー監督 - Blue Note Records: Beyond the Notes

 現在、開催中の第17回トライベッカ映画祭(17th TFF)で上映されている、ブルーノート・レコードを題材にした話題のドキュメンタリー映画『ブルーノート・レコーズ:ビヨンド・ザ・ノート(原題) / Blue Note Records: Beyond the Notes』について、ソフィー・フーバー監督が、4月16日(現地時間)、電話インタビューに応じた。

【写真】ジャズセッションが話題になった映画『坂道のアポロン』

 1939年にアルフレッド・ライオンによって創設された、ジャズ専門のレコード・レーベル、ブルーノート・レコード。多くの若手ミュージシャンの演奏を録音し、モダン・ジャズの名門レコード・レーベルになっていく過程を描いていく。本作では、セロニアス・モンクマイルス・ディヴィスホレス・シルヴァーといったアーティストたちのアーカイブ映像やこだわりのジャケット制作に加え、ノラ・ジョーンズウィントン・マルサリスの活躍など、さまざまな観点でブルーノート・レコードの歴史を掘り下げていく。
 
 ブルーノート・レコードを立ち上げた当時、レコードの売上は良くなかったが、若手ミュージシャンの演奏を録音し、若い才能を発掘していたアルフレッド。それについてフーバー監督は、「彼は投資するような形で若い才能に力を注いでいたけれど、20年後、あるいは30年後にもそのアーティストたちが価値のある存在だと理解していたように思うわ。それに、異なった世代にもジャズを伝えようとするミッションみたいなものを掲げていたんだと思うの」と語り、アルフレッドがミュージシャンと飲みに行き、交流を深めていたことも付け加えた。

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 グラフィックデザイナーのリード・マイルスによるこだわりのジャケット・デザインについては、「あのジャケットを見てレコードを購入するという人もいるわ。レコード会社にとって、音楽を売るという本質から外れているかもしれないけれど、リードの仕事ぶりはそれ自体がアートだったのよ。彼自身はそれほどジャズが好きなわけではなく、むしろクラシックの方が好きだったらしいの。でも彼は流行のビジョンを持って、タイポグラフィ(活字、あるいは一定の文字の形状を複製し反復使用して印刷すること)と写真のトリミングを通してデザインを行っていたのは興味深いし、現代のジャケットにも影響を及ぼしていると思うわね」とその重要性を説明した。

『ブルーノート・レコーズ:ビヨンド・ザ・ノート』
映画『ブルーノート・レコーズ:ビヨンド・ザ・ノート(原題)』より - Blue Note Records: Beyond the Notes

 ジャズを通じてアフリカ系アメリカ人による公民権運動の時代も描いていることについては、「ジャズを通して人々が感情的につながっていることを示したかったの。黒人アーティストによるブルーノート・レコードの歴史と、困難を耐えて生き抜いてきたアフリカ系アメリカ人は、全てつながっているように思えたわ。特にトランプ政権下の今、そんな側面がいかに重要か理解できたの」と、(トランプ政権下という)ある意味でタイムリーな作品であることも主張した。

 また、ジャズにあまりなじみのない若い世代に対しては、「彼らに、今作を届けることが目標で、最終的にはジャズをなじみのある音楽として聴いてもらえるようになれば良いと思っているの。現在のポップミュージックとジャズが、いかにつながっているかも本作で知ってもらいたいわ」と意気込みを語り締めくくった。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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