『チェンジリング』特集
そうです。現れた少年は、息子がいなくなる直前に測った身長よりも7センチも低く、割礼を済ませている点や、わたし自身がしつけたマナーや言葉遣いも違います。何より、わたしは母親です! いくら時間が経っていようとも、愛する息子を間違えるわけがありません!! しかし警察は、まるで聞く耳を持たないのです。
われわれが引き渡した少年は間違いなくウォルターだ。身体的特徴が違う? 子どもの身体は変化するからね。5か月も経っているんだ。当然だろう。伸びたのではなく縮んだ? ストレスによるものだよ。すべて科学的に証明できることだ。あの母親は一人暮らしに慣れてしまい、子どもが邪魔になったに違いない。そうでなければ、ちょっとおかしくなったんだよ。
警察が堕落したせいで、いくつもの悲劇を見てきた。連中は私利私欲を満たすため、異議を唱える者たちを皆、社会から抹消した。こんなことはあってはいけないんだ! だからわたしは彼女を応援する。今度わたしのラジオ番組に彼女を招き、市民に直接訴えかけようと思っている。しかし、突然彼女と連絡が取れなくなった。彼女の身が心配だよ……。
行方不明の息子を探し続けている女性がいるとの情報からスタートした本調査。見えてきたのは、背筋も凍るような腐敗し切った警察のありさまだった。またクリスティンの切々とした祈りには、こちらまで目頭が熱くなってしまった。それにしても、彼女と連絡が取れなくなったとのグスタヴ牧師の言葉が気になって頭から離れない。何も起きていなければいいのだが……。しかしまだ事件は終わっていない。この事件を埋もれさせないために、あなたにも……